第1回 読者による文学賞(2020)

読者による文学賞-どうかこの声が、あなたに届きますように

どうかこの声が、あなたにとどきますように

浅葉なつ(著)
文藝春秋

あらすじ
地下アイドル時代、心身に深い傷を負い、鎌倉の祖母のもとでひっそりと生活を送っていた20歳の小松奈々子。そこに突然現れたラジオ局のディレクター黒木から、番組アシスタントにスカウトされる。
初日の生放送は、後に「伝説の十秒回」と呼ばれる神回となり、かつてラジオ界で絶大な人気を誇ったパーソナリティの片鱗を感じさせるものだった……!?

大食いのアナウンサー、演じるキャラに疲れている女性芸人、売れっ子のオネェタレント…。様々な仲間に囲まれ、時に黒木と罵り合いながら、奈々子はラジオの世界に向き合っていく。それは自身の傷や、過去とも対峙しなければならなかったが、奈々子が生き直そうと決めた「小松夏海」の存在は、次第に黒木たちをも巻き込んで、確かなムーブメントとなっていく。そしてその言葉は、子どものできない夫婦や、大人になることの意味を考える高校生など、切実な日々を生きるリスナーたちの、ほんのわずかな未来を動かし始めていた。

受賞コメント(読者による文学賞)
インタビュー(文藝春秋)


最終選考作品

「千歳くんはラムネ瓶のなか」 裕夢(著)
「幸福の劇薬 医者探偵・宇賀神 晃」 仙川環(著)
「Unnamed Memory 青き月の魔女と呪われし王」 古宮九時(著)
「オカシナ記念病院」 久坂部羊(著)
「流浪の月」 凪良ゆう(著)
「線は、僕を描く」 砥上裕將(著)
「うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵」 遠藤由美子(著)
「日歿堂霊怪日録 遺品整理屋はいわくつき」 岡本七緒(著)
「セバット・ソング」  谷村志穂(著)

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