芥川賞とは?過去の代表的な受賞作品や選考方法などを紹介

直木賞と並び日本の二大文学賞に数えられる「芥川賞(芥川龍之介賞)」。そんな有名な芥川賞ですが、実は新進作家による純文学の中・短編小説を対象とした文学賞であることはあまり知られていないようです。この記事では、ぜひ知っておきたい芥川賞の基礎知識について解説します。

【芥川賞の早わかり】

芥川賞の特徴を以下の表にまとめました。

正式名称 芥川龍之介賞
主催 日本文学振興会
対象作品 雑誌に発表された純文学(中・短編作品)
評価点 芸術性、形式
審査員 小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一(敬称略)
正賞・副賞 懐中時計、100万円
掲載先 『文芸春秋』

芥川賞とはどんな文学賞なのか?

芥川賞(正式名称:芥川龍之介賞)とは、公益財団法人 日本文学振興会によって主催されている新進作家による純文学の中・短編作品を対象とした文学賞です。1935年に文芸春秋の創業者である菊池寛によって制定され、2022年7月20日には第167回の選考会が開催されました。第167回芥川賞は高瀬隼子さんの『おいしいごはんが食べられますように』が受賞しています。

文藝春秋の創業者・菊池寛(明治21年~昭和23年)が、友人である芥川龍之介(明治25年~昭和2年)の名を記念し、直木賞と同時に昭和10年に制定しました。雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、最も優秀な作品に贈られる賞です(公募方式ではありません)。
引用元:各賞紹介|公益財団法人日本文学振興会

直木賞との違いとは?

芥川賞と同時に選考会が開かれる直木賞(正式名称:直木三十五賞)は、作家・直木三十五の名前からつけられた文学賞です。直木賞は「新進・中堅作家による大衆向けのエンターテイメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象」となっており、芥川賞とは選考対象などが異なっています。

芥川龍之介はどんな小説家なのか?


引用元:芥川龍之介イラスト – No: 1255144/無料イラストなら「イラストAC」

芥川龍之介は、大正時代から昭和初頭にかけて活躍した日本の小説家(文豪)です。1892年に誕生し、1913年に東京帝国大学(現、東京大学)に進学します。翌年14年から小説家として活動を開始し、15年には『羅生門』を、16年には『鼻』を発表します。この『鼻』が夏目漱石に高く評価されて、文壇に登場することになります。27年に亡くなるまでの間に、『地獄変』や『歯車』といった短編小説をいくつか発表しています。

小説家。大正5(1916)年東京帝大在学中に発表した「鼻」が夏目漱石に評価され、文壇に登場。卒業後、海軍機関学校の嘱託教官として英語を教える傍ら、「芋粥」(1916)、「奉教人の死」(1918)、第一短編集『羅生門』(1917)などを発表。8(1919)年海軍機関学校を辞職、大阪毎日新聞社社員として文筆活動に専念する。昭和2(1927)年36歳で自殺した。芥川比呂志、也寸志の父。
引用元:芥川龍之介|近代日本人の肖像 | 国立国会図書館

過去の主な芥川賞受賞者・受賞作品

近年の芥川龍之介賞の受賞者・受賞作品を以下の表にまとめました。

受賞者 受賞作 掲載誌
167回 高瀬隼子 おいしいごはんが食べられますように 群像
166回 砂川文次 ブラックボックス 群像
165回 石沢麻依 貝に続く場所にて 群像
164回 李琴峰 彼岸花(ひがんばな)が咲く島 文學界
163回 宇佐見りん 推し、燃ゆ 文藝

詳しい受賞結果は「こちら」をご覧ください。

芥川賞に関する豆知識

最後に、芥川賞に関する豆知識を紹介します。

1.選考会場は料亭「新喜楽」

例年、芥川賞と直木賞の選考会場には、東京都にある老舗料亭の「新喜楽(しんきらく)」が使用されています。日本三大料亭、日本二大料理屋に数えられる一流料亭であり、かつては伊藤博文や佐藤栄作といった内閣総理大臣も利用したことがあるそうです。そんな新喜楽の1階では芥川賞の選考会、2階では直木賞の選考会が数時間にわたり開かれます。また、大勢の報道陣のために控え室も用意されています。

2.審査・選考の過程は非公開

芥川賞の審査・選考の過程は非公開となっています。しかし、芥川賞について詳しく解説した『芥川賞の謎を解く 全選評完全読破』(鵜飼哲夫、文春新書)によると、それぞれの選考委員が候補作品をマル、バツ、サンカクの3段階で評価し、それから点数の低い作品順に議論をするとのことです。こうして時間をかけて議論をし尽くし、選考委員から異論が出なくなった段階でその回の芥川賞の受賞作品が決まります。

まとめ

芥川賞は直木賞と並ぶ日本を代表する文学賞のひとつであり、例年、7月(上半期)と1月(下半期)に選考会が開かれています。芥川賞を受賞した作品の中には、又吉直樹さんの『火花』や村田沙耶香さんの『コンビニ人間』などもあります。もし芥川賞に興味を持ったら、このような作品から読んでみるのがおすすめです。

【参考文献】
各賞紹介|公益財団法人日本文学振興会
https://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/index.html
芥川龍之介|近代日本人の肖像 | 国立国会図書館
https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/224/

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