第40回 横溝正史ミステリ&ホラー大賞(2020)

火喰鳥 原浩

火喰鳥

原浩(著)
11月末、KADOKAWAから発売予定

あらすじ
八月の盆を過ぎた頃、久々に信州の実家に帰省した久喜裕二は、不可解な出来事に遭遇する。久喜家の墓石に祖父・保の名前が刻まれていたのだ。享年は八年前の日付になっていたが、保はいたって健康で暮らしていた。同時期には、久喜家に地元の新聞社から一冊の日記が届けられた。それは太平洋戦争末期に南方戦線で戦死した保の兄、貞市のものだった。現地民によって保管されていたが戦後70年経ち届けられたという。日記には、貞市が絶滅危惧種のヒクイドリに執着する様が綴られていた。その日を境に久喜家に異常現象が頻発する。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村が焼死し、保が行方不明になってしまった。そして貞市の日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。裕二の義姉の夕里子は、超常現象に造詣のある旧知の北斗総一郎に頼ることにしたが……。

受賞詳細ページ(KADOKAWA)
発表ニュース(カドブン)


読者賞

くじりなきめ

阿泉正宗(著)

あらすじ
倉坂尚人はある日、有川弥生と名乗る女性の訪問を受ける。尚人が高校時代に交際していた芦原小夜子のルームメイトだという。帰省したきり連絡が取れない小夜子を連れ戻すために、一緒に来てほしいと依頼された尚人は、もう一度小夜子と会いたい一心で承諾する。だが、向かった先の稲守村で、小夜子は23年ごとに行われる『ナキメサマの儀式』の巫女に選出されていた。古い習わしにより、儀式中の巫女との接触を禁じられた尚人たちは、小夜子の無事を確認できるまで村に滞在することを決意する。そんな中、村に泊まった最初の夜、二人は神社の境内を徘徊する異様な姿の人影と遭遇する。更に翌日、人間業とは思えぬほど凄惨に破壊された死体を発見し……。

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