第66回 江戸川乱歩賞(2020)

わたしが消える  佐野広実

わたしが消える

佐野広実(著)
講談社
9月30日発売予定

あらすじ
元刑事の藤巻は、交通事故に遭い、自分に軽度認知障碍の症状が出ていたことを知り、愕然とする。離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘にも迷惑はかけられない。
途方に暮れていると、当の娘が藤巻を訪ね、相談を持ちかけてくる。介護実習で通っている施設に、身元不明の老人がいる、というのだ。その老人は、施設の門の前で放置されていたことから、「門前さん」と呼ばれており、認知症の疑いがあり意思の疎通ができなくなっていた。
これは、自分に課せられた最後の使命なのではないか。そう考えた藤巻は娘の依頼を引き受け、老人の正体を突き止めるためにたった一人で調査に乗り出す。
刻一刻と現れる認知障碍の症状と闘いながら調査を続ける藤巻は、「門前さん」の過去に隠された恐るべき真実に近づいていくーー。

受賞詳細ページ(小説現代)
江戸川乱歩賞 受賞(清心女子高等学校)


最終候補作品

「ブルー オン ブラック」 井上雷雨(著)
「エスカレーションラダー」 小塚原旬(著)
「インディゴ・ラッシュ」 桃ノ雑派(著)
「わたしが消える」 佐野広実(著)

第66回 江戸川乱歩賞の最終選考会が6月8日に開催され、佐野広実さんの「わたしが消える」に決定しました。
佐野広実さんは清心女子高等学校で現代文の非常勤講師を務めており、「島村匠」名義で松本清張賞の受賞経験もあります。

第66回 江戸川乱歩賞について

  • 選考委員
  • 最終選考委員:綾辻行人、新井素子、京極夏彦、月村了衛、貫井徳郎
    予選委員:香山二三郎、川出正樹、末國善己、千街晶之、廣澤吉泰、三橋暁、村上貴史
  • 応募数
  • 応募総数387作品(第1次選考98作品、第2次選考21作品、最終候補作4作品)
  • 賞金
  • 江戸川乱歩像、1000万円
  • 発表
  • 「小説現代」6・7月合併号
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