第57回 文藝賞(2020)

受賞作

水と礫(れき)藤原無雨

水と礫(れき)

藤原無雨(著)
雑誌「文藝」冬季号に掲載予定

あらすじ
お前の中には、誰かの見た風景が詰まってる。
誰かの中にも、お前の風景がある。

東京でのドブ浚いの仕事中の事故をきっかけに生まれ故郷へと戻ったクザーノは、弟分である甲一の後を追い、砂漠のむこうにあるという幻の町へ、ラクダのカサンドルを従え旅立った—-砂漠の熱で身体を灼くのだ、それしか、この身に染み込んだ東京の水分から自由になる方法はない。 父のラモン、祖父のホヨー、息子のコイーバ、孫のロメオ。何度でも回帰する灼熱の旅が、一族の目にしたすべての風景を映しだす。時代を超え砂漠を超え、無限の魂の網の目が、いま、この瞬間に訪れる。
繰り返されるイメージが壮大なスケールを描きだす一大叙事詩。

受賞詳細ページ(河出書房新社)
第57回文藝賞 受賞作(〃)


優秀作

星に帰れよ

新胡桃(著)

あらすじ
勝手に諦めんな。
「価値観が違うから仕方ない」なんて、浅いんだよ。

16歳の誕生日をひとり深夜の公園で迎えた真柴翔。好意を寄せる早見麻優に告白する練習をしているところに現れたのは、”モルヒネ”というあだ名で呼ばれるクラスメイトの女子。軽快なおしゃべりの傍ら、何の気なしに真柴が「お前おもしれーな」と言うと、「ごめん、その褒め方やめて」と硬い声が返ってきて—-。シリアスなことが苦手で自分を軽薄に保ちたい真柴、自身の美点を理解し器用に立ち回る麻優、神様を求めながらも揺るがない自分の正義を探すモルヒネ。
高校生たちの傲慢で高潔な言葉が、彼らの生きる速度で飛び交い、突き刺さる。


第57回文藝賞が8月20日に行われ、受賞作品が決定しました。受賞作品は藤原無雨さんの「水と礫(れき)」です。また、新胡桃さんの「星に帰れよ」が優秀作に決定しています。
藤原無雨(ふじわらむう)さんは、1987年生まれの32歳。
新胡桃(あらたくるみ)さんは2003年生まれの16歳、現役高校生です。

第57回 文藝賞について

  • 選考委員
  • 磯﨑憲一郎、島本理生、穂村弘、村田沙耶香
  • 応募数
  • 2360作品
  • 賞金
  • 受賞作:記念品、50万円。優秀作:記念品、20万円。
  • 掲載誌
  • 「文藝」冬季号
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