第51回 星雲賞(2020)

日本長編部門

天冥の標

天冥の標

小川一水(著)
早川書房
第40回日本SF大賞受賞作品

あらすじ
女王ミヒルを駆逐したメニー・メニー・シープは、ついに“救世群”との和平を成し遂げる。太陽系から合流した二惑星天体連合軍(2PA)とともにカルミアンの母星に到達したセレスだったが、そこには超銀河団諸族の巨大艦隊が待ち受けていた。果たして彼らの狙いとは?カドム、イサリ、アクリラらは、メニー・メニー・シープの未来を求めて苦闘するが―今世紀最大最高のSFシリーズ万感の完結篇、ついに刊行開始。

受賞詳細ページ(日本SFファングループ連合会議)


日本短編部門

不見の月(不見の月 博物館惑星2収録)

菅浩江(著)

あらすじ
地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館苑〈アフロディーテ〉では、データベースに直接接続した学芸員たちが美の追究に勤しむ。赴任したばかりの新人警備員・兵藤健は、いわくつきの芸術品、問題を抱えたアーティストらにまつわる事件に対処していく。

海外長編部門

三体

劉慈欣(著)
立原透耶(監修)大森望、光吉さくら、ワンチャイ(訳)

あらすじ
物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?

海外短編部門

不気味の谷(ビット・プレイヤー収録)

グレッグ・イーガン(著)山岸真(訳)

あらすじ
彼女は洞穴の中で目ざめた。外に見えるのは空、下から照りつけるのは日光。この奇妙な世界は何なのか?―未知の世界のありようを考察する表題作、死んだ名脚本家の記憶を持つアンドロイドが自らのアイデンティティを追う「不気味の谷」、恒星間をデータとして旅する夫婦を描いた、長篇『白熱光』と同一未来史の中篇「鰐乗り」など6篇を収録。


ノンフィクション部門

小松左京スペシャル「神」なき時代の神話(NHK 100分de名著)

宮崎哲弥(著)

あらすじ
宇宙全体のなかで、この「私」の存在にはどんな意味があるのか? 人知を超えた「何か」は存在するのか?──かつては宗教的テキストが担ったこれらの問題意識に、小松左京はSFという形式で挑んだ。『地には平和を』『日本沈没』『虚無回廊』『ゴルディアスの結び目』などの代表作から、その壮大な試みに迫る!


メディア部門

彼方のアストラ(アニメ)

篠原健太(原作)安藤正臣(監督)Lerche(制作)

あらすじ
宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!!

コミック部門

バビロンまでは何光年?

道満晴明(著)

あらすじ
消滅した地球の生き残りのバブを含める3人組がポンコツ宇宙船で旅をする。 ロマン広がる果てなき宇宙で、地球の記憶を求め星から星へ。 性に望郷に家族愛。そして旅を続けたその先で知る事実とは…!?

ニンジャバットマン

久正人(著)

あらすじ
“時空震エンジン”の暴走により、現代のゴッサム・シティから戦国時代の日本にタイムリープしたバットマン。 だがそこは、一足先にタイムリープしていたジョーカーが全国統一を果たさんとする、悪いジョークのような絶望的な状況だった──。


アート部門

シライシユウコ

自由部門

史上初のブラックホールの撮影

EHT (Event Horizon Telescope) プロジェクト


第51回 星雲賞の投票結果が8月22日に発表されました。日本長編部門をはじめ全9部門あります。贈賞式は第59回日本SF大会「F-CON」にて実施予定。
小川一水さんは1975年生まれ。星雲賞の日本短編部門賞や日本SF大賞などの受賞歴があります。
菅浩江さんは1963年生まれ。星雲賞の日本長編部門受賞や日本推理作家協会賞などの受賞歴があります。
劉慈欣さんは1963年生まれ。「三体」でヒューゴー賞を受賞しています。
グレッグ・イーガンは1961年生まれ。ヒューゴー賞や星雲賞の海外長編部門などの受賞歴があります。

候補作品および結果の詳細は第51回星雲賞公式サイトをご覧ください。

第51回 星雲賞について

  • 選考委員
  • 第59回 日本SF大会参加者
  • 発表
  • 日本SFファングループ連合会議ウェブサイト

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