日本翻訳家協会賞(2020)

第57回 日本翻訳文化賞

ルネ・シャール全集 吉本素子 (翻訳)

ルネ・シャール全詩集

ルネ・シャール(著)
吉本素子(訳)
青土社

あらすじ
フランスの代表的詩人ルネ・シャールがその根源的思索とみずみずしい感性により、現代社会の危機的様相の実相を抉りだし、闇の中に希望の火を灯す豊饒で香りたかい全集。

第56回 日本翻訳出版文化賞

ラルース ギリシア・ローマ神話大事典

ジャン=クロード・ベルフィオール(著)
金光 仁三郎、小井戸光彦、本田貴久、大木勲、内藤真奈(訳)
大修館書店

あらすじ
さまざまに活写される神々や英雄たちの世界。ギリシア神話・ローマ神話の全貌を網羅した最新・最大の事典“項目数約2500”。文芸作品からの引用や豊富な図版などで、神々や英雄たちの世界を生き生きと蘇らせる。

世俗の時代(上下)

チャールズ・テイラー(著)
千葉眞、木部尚志、山岡龍一、遠藤知子、石川涼子、梅川佳子、高田宏史、坪光生雄(訳)
名古屋大学出版会

あらすじ
近現代の特徴の一つとされる「世俗化」。しかし、人々はさまざまなかたちで信仰や霊性とともに生きている。では、西洋において神信仰はいかにして力を失い、個人の選択肢の一つとなったのか。


翻訳特別賞

復活祭前日

ゾヤ・ピールザード(著)
藤元優子(訳)
大同生命国際文化基金

あらすじ
かつてイランの現代文学は、男性知識人によるものが中心でしたが、1990年代から急激に女性作家が台頭し、日常生活を題材に現代女性の生き方を問う作品が次々に生み出されてきました。
本書は、イスラーム革命を生きたイランを代表する女性作家ゾヤ・ピールザードによる短編集で、「女性が心の自由を貫くことの意味と代償」がテーマの一つになっています。
異教徒間の恋愛事情が、切れの良いスピード感と小気味よいリズムをもった文体で表現されており、繊細さやユーモアに満ちあふれた、いずれも魅力的な作品です。

世界の悲惨 1~3

ピエール・ブルデュー(著)
荒井文雄、櫻本陽一(訳)
チャールズ・テイラー

あらすじ
ブルデューとその弟子23人が、52のインタビューにおいて、ブルーカラー労働者、農民、小店主、失業者、外国人労働者などの「声なき声」に耳を傾け、その「悲惨」をもたらした社会的条件を明らかにする。社会的分断の激化を実相を浮き彫りにし、現代における国家の役割を再焦点化したベストセラー。

哲学詩集

トンマーゾ カンパネッラ(著)
澤井繁男(訳)
水声社

あらすじ
ユートピア論『太陽の都』を著し、預言者を自認した自然哲学者・カトリック僧が、体制転覆を計画して逮捕され、四半世紀にも及んだ獄中生活において綴った89篇の詩。ギリシア哲学とカトリック神学がルネサンス的融合を果たした世界観、専制支配と教会の腐敗への怒り、長きにわたる苦難の末に生じた使命と信仰への疑心、異形の知識人の生と思想のすべてが結実した、驚嘆すべき人倫の詩集。

日本翻訳家協会賞

10月4日に日本翻訳家協会賞の結果が発表されました。
日本翻訳文化賞
過去1年(2019年8月1日から2020年7月31日)で最も優れた翻訳書を刊行した翻訳者に対し贈る賞。副賞に賞金10万円。
日本翻訳出版文化賞
過去1年(2019年8月1日から2020年7月31日)で最も優れた翻訳書を刊行した出版社に対し贈られる賞。
特別賞
上記の賞にはならなかったが、特に優秀だった作品に対して与えられる賞。

関連リンク
【2020年度日本翻訳家協会賞】(日本翻訳家協会)

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