第73回 野間文芸賞(2020)

小箱 小川洋子

小箱

小川洋子(著)
朝日新聞出版

あらすじ
私の住む家は元幼稚園で、何もかもが小ぶりにできている。
講堂、給食室、保健室、人々の気持ちを慰める“安寧のための筆記室”もある。
私は郷土史資料館の学芸員であったバリトンさんの恋人から来る小さな文字の手紙を解読している。
従姉は息子を亡くしてから自分の人生を縮小した。
講堂にはガラスの小箱があり、亡くなった子どもたちの魂が成長している。
大人は自分の小さな子どもに会いに来て、冥福を祈るのだ。
“一人一人の音楽会”では密やかな音楽が奏でられる。
今日はいよいよあの子の結婚式で、元美容師さん、バリトンさん、クリーニング店の奥さん、虫歯屋さんが招待されている。

第73回 野間文芸賞

11月2日に第73回野間文芸賞の選考結果が発表され、小川洋子さんの「小箱」に決定した。
小川洋子さんは過去に芥川賞、読売文学賞、本屋大賞、谷崎潤一郎賞などの受賞歴があります。

選考委員:奥泉光、佐伯一麦、多和田葉子、町田康、三浦雅士
賞金:300万円

関連リンク
第73回受賞作品が2020年11月2日に決定しました!
小川洋子『密やかな結晶』から『小箱』へ―記憶と喪失の物語を紡ぎ続けて
成長する亡き命と生きる 痛切な思い静謐に 小川洋子さん新刊『小箱』

タイトルとURLをコピーしました