第58回 野間児童文芸賞(2020)

朔と新 いとうみく

朔と新

いとうみく(著)
講談社

あらすじ
兄の朔(さく)が1年ぶりに自宅に帰ってきた。朔と弟の新(あき)は、一昨年の大晦日、父親の故郷で正月を迎えるために高速バスで仙台に向かい、バスが横転する事故に巻き込まれた。事故が原因で視力を失った朔は、それまで盲学校での生活を送っていたのだ。
あの年の暮れ、新は母親と衝突し、兄弟は両親とは別々に、本来の予定より一日遅れで大晦日に帰省することになった。そのことが、結果として、兄弟の運命を変えたのだった。
中学時代、長距離走者として注目を浴びていた新だが、自らランナーとしての未来を閉ざした。高校に進学した後も、走ることをやめた。 そんな新に、突然、朔が願いを伝える。
「伴走者になってもらいたいんだ、オレの」
走ることを捨てた新は、当初、その申し出に激しく抵抗する。だが、事故に巻き込まれたのは己のせいだと自分を責め続けていた弟は、兄の願いを断ることはできなかった。
かくして兄弟は、一本のロープをにぎり、「ブラインドマラソン」という新たな世界へと踏み出してゆく――。


候補作品

「朔と新」 いとうみく(著)
「きみの存在を意識する」 梨屋アリエ(著)
「レッツはおなか」 ひこ・田中(著)
「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂〈12〉〈13〉」 廣嶋玲子(著)
「しあわせなハリネズミ」 藤野恵美(著)

第58回 野間児童文芸賞

11月2日に第58回 野間児童文芸賞の選考結果が発表されました。

選考委員:あさのあつこ、石井直人、いとうひろし、富安陽子、山下明生
賞金:200万円

関連リンク
第58回受賞作品が2020年11月2日に決定しました!

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